写真年賀状の鑑賞力。
年賀状に自分の写真を使い始めてから何年たつだろう。
自分のダイビング歴と重なるとすれば、
53年ということになるが、
年賀状をカラー印刷にしたのは
それよりだいぶあとだから、
40年くらいかもしれない。
そのあたりがあいまいなのは、
ファイルはあるものの、
製作年月を記録しておかなかったためである。
反対に、人からもらった年賀状のファイルには、
当然、文面があるから、年代もすぐわかる。
モノクロ印刷の時代は、
手描きの魚のイラストを使っていた。
一にも二にも予算の関係である。
最初から干支にちなんだ絵を使う考えはなく、
そのせいか、いまも、新しい年が十二支のどれに当たるのか、
無関心に過ごしている。
いまは、カラー写真を使っても
かなり安く仕上がるようになった。
が、それだけに、
写真のポストカードの希少価値が
下がったことは否めない。
いまからでは遅いだろうが、
受け取った写真年賀状の鑑賞法の一助になればと、
以下のことをあげておこう。
ここでは、わが子の写真、
家族写真、ペットの写真は除外する。
あくまでも「作品」についての論である。
ただし、家族でもペットでも、
「作品」ということは大いにありうる。
1.自信のある写真を使う以上、
写真面には「謹賀新年」とか
住所とかは書かない。
書くとすればタイトルか撮影者名を小さく。
通信記事は切手面にのみ書くこととする。
2.自作する場合、グレードを保つ。
弱々しい印刷、薄すぎる用紙、
何点もの写真使用などは避ける。
作品にはオプションなし。1点で勝負。
使えば使うほど相殺して効果は減退。
3.写真が横位置なら、切手面も横位置に。
縦位置なら、切手面も縦位置に。
この関係に無関心な人が多い。
市販のポストカードでさえ、
横位置の写真に対して、
切手面が縦位置になっているものが多い。
そういうのは、写真または絵に対して失礼である。
宛名を見て、そのまま裏返すと、
同じ位置と方向の写真や絵がある、
それが作品に対する敬意だと思う。
過日、ある県立美術館で絵画展をやっていた。
たまたま居合わせた作者と話ができた。
ハガキを求めたいと申し込んだら、
「販売用はないので」といって、
1枚だけプレゼントしてくれた。
が、これが横位置の絵なのに、
切手面は縦になっているのである。
作者にそれを指摘したら、
「知らなかった」と。
残念なことである。
業者のせいなのだろうが、
ポストカード文化が低いレベルに位置づけられている
日本の現状である。
4.以下は個人的好みだが、
写真は全面使用、フチなしよりも
額縁のほうが写真が引き立つように思う。
額縁とは、写真の周囲を白地にして残すこと。
この白地部分の面積にも主張があって、
これまで、ヨーロッパやアメリカのみやげ物店で
多くのポストカードを見てきたが、
余白部分が5ミリというのがいちばん多かったように思う。
いや、個人の好みで、そう感じた可能性もある。
自分としては、これが国際版だと思っている。
ポストカードに無頓着の人には、
まったくどうでもいいような話だろうが、
1枚のハガキから人生が変わった話なら、
おそらく世界中に億単位であることだろう。
Happy new year !
by rocky-road | 2016-12-29 21:28