ライフスタイルを納めるバッグ。
テレビのスイッチを入れたら、
4、5人の「女子会」で
バッグの品評談義をする、
という設定の番組をやっていた。
2月15日の「食ジム」でバッグ論をやるので、
しばらく目を留めた。
(食ジム=「ライフスタイルを納めるバッグ術」)
が、予想どおりというべきか、
2つ3つのバッグの大きさとか
デザインとかを論ずることに終始していた。
おもしろいと思ったのは、
小さいけれどいっぱい入る、
というところに出演者が強く反応していた点。
テレビのバッグ論は、そこ止まりであろう。
ファッション雑誌のことは知らないが、
バッグ評論家とか、
バッグとライフスタイル論とかは
存在しないのだろうか。
有名ブランドのパブ番組なのか、
バッグの多様性についてまで
論じられることはなかった。
(パブ番組=企業が広告ではなく、
協力という形で番組制作にかかわるもの。
パブはパブリシティの略)
見ながら、
ちょっと考えただけでも、
バッグには大別して3つの要素がある。
1つは機能性。
収納物に合ったサイズとか、
使いやすさとか、耐久性とか。
第2に、記号性。
デザイン、色柄、ブランド、
服装とのコーディネートなど。
第3に、T.P.O。
季節、時刻、公私、
日常、カジュアル、旅行、
スポーツなど。
バッグは、いうまでもなく、
単なるモノ入れ、モノ運び道具ではない。
どんな服装であっても、
社会活動中の人の
いちばん外側に置かれるグッズである。
さっきのテレビ女子会の人たちが、
小さいバッグに憧れるのは、
社会的ポジションと関係があるのだろう。
若いうちは、自分のからだや
服装のほうに大半の関心が行っているから、
バッグの存在は小さい。
身軽、軽装、スピーディなどに
価値が置かれる世代では、
バッグは小さいほどいいのかもしれない。
昔は、男性が旅行に行くときなど、
集合場所に来た1人のバッグが
大きかったりすると、
「世界一周でもするンかい?」
などと冷やかしたものである。
一時、
男性に「セカンドバッグ」
なるものがはやったのも、
手ぶら感が重んじられた時代の反映だろう。
昔の男には、「旅行ごときウキウキするな」という
スカすというか、やせ我慢というか、
粋がるというか、
そういう気分があった。
まさしくそれがライフスタイルである。
確かに、バッグにはライフスタイルが納まる。
中に何を入れようとしているのか、
外見によって
どんなメッセージを伝えようとしているのか、
他者以前に、自分自身に。
「食ジム」というリングには
どんなトークが納まるのか、
楽しみがふくらんできた。
by rocky-road | 2015-02-04 23:54