オバサマよ、「チェンジ!!」
「ナゴヤマル」という投書欄に
56歳の管理栄養士が投稿をしている。
その記事を知人が送ってくれた。
「派遣労働者の使い捨て問題」は、
ニュースの中での話と思っていたら、
自分自身がくびになった、という嘆きである。
先日突然、『指導が厳しいから、もう来なくていい』と
言われてしまいました。
私の仕事は禁酒、禁煙や食べ物の好みなど、
生活習慣を変えることでの治療なので、
指導を受ける方にはつらいことと思います。
しかも対象となる方は、年齢的には
企業の幹部クラスの男性が多く、
仕事が大変なうえにそんな細かいことで
注意されるのかと、いうことなのでしょう。
酒もだばこもお好きなだけどうぞとは
言えないし。私も因果な仕事を選んだものです。
しばし充電です」
この記事を読んで、栄養士のイメージや
社会的地位のアップにブレーキを
かけなければいいが、と案じてしまう。
相手にいやがられるほどの「指導」をしておいて、
自分が辞めさせられたのは、派遣労働者のケースと同じ、
と考えているこのノーテンキぶり。
クライアントの事情や意向、自発性などは眼中にないらしい。
さらに、栄養士の仕事とは、酒やたばこを禁止することだと
心底から考えているようにも読める。
栄養士が「因果な仕事」なのではなくて、
アンタの強圧的でお粗末な「栄養指導」スキルに
天の罰が当たったのだと、
なぜに思えぬ、そのはかなさよ。 ♪
因果とは、因果応報、
意味の1つは、悪業(あくごう)の報いとして
不幸がやってくる、という教え。
災いがご本人に及ぶの仕方がないが、
その診療所や、「指導」を受けた幹部クラスの人たちに、
「栄養士トラウマ」や「栄養士アレルギー」を残しそうだし、
多くのセンスのよい栄養士の足を引っ張ること必定。
自分の思考やスキルに微塵の疑いもないから、
こんな恥ずかしい投稿ができるのだろう。
どうやら特定健診は、
このテの「ノーテンキ栄養士」を
勢いづかせているような気がする。
このところ「行動変容」だの「介入」だのと
口走る栄養士によく出会うが、
そういうタイプの行きつく一例が
この56歳ノーテンキ栄養士なのではないか。
国家的施策が始まると
小躍りするヤカラが出現するのは
今も昔も変わらない。
戦時中、「ほしがりません勝つまでは!」
というキャンペーンが始まると、
人の着ているもの、へアスタイルにまで
イチャモンをつけるヤカラ、
空襲で「灯火管制」(とうかかんせい=電灯を消して
敵機の標的になるのを防ぐ)を強いられると、
町内のおせっかいなヤカラが、
人の家の明かりが漏れていると
怒鳴り回るなどなど。
「行動変容」とわめく栄養士を見ると、
なぜか「おい、そこの魚屋、明かりが漏れてるぞ!」
と叫ぶお調子モンを思い出す。
だがしかし、権力をカサにモノを言う奴は
「奢る(おごる)平家は久しからず」
の轍を踏むことになるだろう。
因果な仕事を選んだ56歳栄養士さんに
再生のチャンスはあるのか。
この際、受講料を私が負担して、
食コーチングの研修を受けさせてみたい。
これで再生できれば、
食コーチングの真価が証明されるだろうし、
なによりも、彼女に出直しのチャンスが生まれる。
それとも、経験や年齢は「チェンジ」を阻むのか。
アメリカ次期大統領・オバマさんに
オバサマに向けて一席ぶってもらいたい
「チェンジ!!!」と。
それでもダメなら、
「因果な仕事」は捨てて、
派遣労働者として出直すときかもしれない。
by rocky-road | 2008-12-23 14:22